おたふくわた復活プロジェクト

24.一粒の種から綿を育てる「綿の会」との出会い

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大夫堀公園内にある民家園です。
糸紡ぎ教室を行ったり展示品が置いてあります。

「綿の魅力に引かれて皆さんこの世界に入ったんですよ。」と話すのは綿の会の14年度リーダー北見ミホさんです。「綿の会」との出会いは昨年3月24日に丹羽氏が綿の会の活動拠点である世田谷区立次大夫堀公園民家園で講演をしたのが最初のきっかけです。 この会は民家園の近くに住む世田谷区民の皆さんのボランティア活動団体なのですが、公園内にある自分達で作った綿畑から綿を収穫してその綿で糸紡ぎの教室や実演、イベントなどを行っています。民家園は都内とは思えない静かな場所にあり、昔ながらの茅葺屋根の作りはのどかな雰囲気を出しています。民家園には週末になると家族連れやカップルなどが訪れ糸紡ぎ教室を偶然見かけて飛び入り参加する人も大変多いそうです。

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教室では多くの方が参加しています。
左に写っているのが14年度リーダーの北見さんです。

教室では多くの方が参加しています。 左に写っているのが14年度リーダーの北見さんです。 私がお邪魔したときも子供さんなどが楽しそうに参加していました。 丹羽さんにもらった世界の綿をこの日おみやげとして持参して皆さんにお見せしました。 世界にこんなに綿があるのかと驚かれたことと綿といっても国によって綿の色や品質が違うということを知り皆さん大変感激していました。 私はこの日多くの家族連れが北見リーダーの綿の話や糸の作り方の話に集中して聞いているのを見て関心しました。そして子供に付き合って教室に参加したお父さん、お母さんも徐々に子供のような顔になりながら綿をほぐしたり糸紡ぎをしていました。また綿畑から集めた綿を引っ張ったりさわったりして楽しんでいました。 大人にも子供にもこのように手作りのおもしろさや大切さを学べる良い機会なんだと実感しました。 綿の会はこのように教室や講演を行っているほかは綿畑の管理や糸紡ぎの道具を作る方もいたりと「とにかく純粋に綿に興味がある人たちの集まりなんです(笑)」(北見リーダー) 子供も真剣なまなざしで糸紡ぎを習っていました。

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子供も真剣なまなざしで糸紡ぎを習っていました。

私は北見リーダーと知り合ってからたまに週末民家園の縁側に座り、会員の皆さんとしばし綿の歴史やみなさんの綿の疑問や質問などを(私の知っている範囲ですが・・)答えるなどの綿談義をしています。この縁側での些細な会話がおたふくわたを復活させようと決意したきっかけでもあるのです。というのは皆さん綿の種類や作り方などは非常に勉強されているのですが木綿ふとんなどの寝具に関することは興味があっても知る場所がなかなかないという声を聞いたからです。綿のことを知っていくうちにどうして、木綿ふとんが最近減ってきているのかも気になっていたというような声も聞くことができました。北見リーダーは実はこの3月に新しい生命が誕生するというおめでたい話があるのですが、この会に入ってから綿の研究を進めていくうちにやはり子供用のふとんも木綿ふとんにすると決意してそうです。「やっぱり一日寝ている自分の子供にポリエステルや動物のにおいを吸わせるというのはどうも気が引けます・・。」ということで丹羽氏におふとんを作ってもらうそうです。私はこうして綿の会の皆さんと話しをしていると、もしかして一般の消費者の中でもこのように木綿に興味があったり木綿ふとんを使いたいと考えている方などもまだまだ沢山いるのではないかと思いました。北見リーダーは私と世代が一緒なのですがこうした会に入って初めて綿の魅力に気がついて綿のとりこになってしまった一人です。 ということは木綿自体にはまだまだ数多くの魅力があり、一般の方により正確な情報を伝える事により木綿ふとんはまだチャンスがあるのではないかと思いました。綿の会と知り合えた事でこの自信は更に深まったので、今回はおたふくわたとは直接関係がないのですが書かせていただきました。またヒントを見つけにあの民家園に行きたいと思っています。 次回は武田製綿さんで作った原田浩太郎オリジナルの綿作りについて書きたいと思います。

九代目 原田浩太郎

※このコラムは2003年1月に執筆されたものです

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