最新ニュース
  □九代目のひとりごとindex □次の九代目のひとりごとへ □前の九代目のひとりごとへ  
魅力ある町、東京・神田神保町
歩く人すべてが仲間に見えてくる。

「良く飲みに行くエリアはどこですか」と聞かれれば会社や自宅に近い表参道か外苑、麻布・・気の合う友人達とは銀座や新宿。 「良く行く遊び場所はどこですか」と聞かれればこれまた車で出かける事が多いのでお気に入りの場所はいくつもある。
しかし「長居したくなる町はどこか」と、もし聞かれるような事があれば私は「神保町」と答えるだろう。

東京・千代田区の神田神保町。ここは大学や専門学校、資格スクールそして古本屋さんなどの書店が多く立ち並んでいる事から「学生の町」と言われている。学生以外でも読書家や教育者なども多く利用しており、また最近ではオフィスビルも増えているのでこのあたりは日中、老若男女かなりの人間が歩いていてやけに賑やかだ。また、かくれ家的存在の食の店や中古レコードショップなども裏通りにいくつかあって歩いているだけで楽しい。週末になると近所である水道橋の後楽園に競馬好きのおじさん達があふれるように歩いているので、平日とはまた違う雰囲気を楽しめる。

私は小学校の時に野球好きの姉に連れられて後楽園球場へ野球を観に行ったり、野球道具やスキー用品を買いに神保町には良く来ていた。また学生時代は自他ともに認める「プロレスマニア」だったので、後楽園ホールや東京ドームにプロレスを観に行き、その帰りにマニアが欲しがるような商品を多く置いていた神保町のショップに仲間と毎回のように通っていた。実は神保町は「プロレスファンには、たまらない町」とも言われていてかなりの店が多い。

プロレスとは関係ないが予備校も神保町の学校に通っていた。
予備校時代の仲間は今でもたまに会う事があるが、 「何かあ
の場所はいいよなあ」と話す。私の持論だが神保町は予備校
生にとってはなかなか良い場所ではないかと思う(自分は例
外にしておく)。近くには日本大学があり少し歩くと御茶ノ
水に明治大学があるので我々受験生は 学校内で楽しく話して
いる大学生 を見ては刺激され自分の「合格」 を心に強く誓え
るし、学習時 間の合間に仲間と時間を決めて、 喫茶店や書店
などで息抜きをして、一人で勉強したい時は少し歩いて九段の
図書館まで出かける。また学生の町だけあって安くてうまい店
が多いので腹ごしらえするには最高の環境だ。

社会人になると簿記の資格を取るためにこれまた水道橋の簿記学校に通った。学校が終わると帰社時間とにらめっこしながら学生時代に歩いた道を歩き、昔を思い出しながら会社に戻った。歴史や参考になる資料が多く揃う古本屋、古くからある珈琲屋、食堂、裏通りには一品しかないこだわりのレストランなどがある。

私にはこの町を歩く人すべてがなぜか仲間や友人に見えてくる。きっとこの中にはプロレスが好きな人もいるし、同じうまい店に通っていた人もいるし、何か資格を取るために学校に通うビジネスマンも多い。だからそう思うのか・・・・。 オフィスビルも増えてきたと前に述べたがこのあたりは出版社の本社も多いので私は最近良くふとんの取材の関係でこのあたりに来る事が多くなった。たまに打ち合わせが昼前に終わると、学生時代に通った裏通りの小さな食堂に行ったりする。この食堂にはスーツを着ている客はごくわずかしかいないのだが食事が来る間「ああきっと彼も学生時代ここに通っていたんだろうな」と想像しながら待っている。ここの親父さんの着ているニセブランドのTシャツも変わらないし学生同士の会話も若い頃の自分を思い出す。わずかの時間だが「あの頃」に帰っている。  

そういえば私はおふとんを買っていただいた80代の女性から「あの頃はみんな木綿ふとんだったのよ」とお話しいただいた事を思い出した。具体的な時期は言わないが「若くて勢いがあって何をしていても楽しい時期」を「あの頃」として話しているのだろうと思った。私にとってはあの頃と神保町は切っても切れない関係だ。